「医者に命を預けるな」
医師 中村仁一先生の本から
◇殺細胞性の抗がん剤は家族も危険にさらす◇
再発がんや進行がん、末期がんに対する抗がん剤の使用は、縮命効果しかないと考えられています。
しかし、最後まで抗がん剤治療を求めてのがん難民が存在するようで、同情を禁じえません。
実は、【抗がん剤は強力な発がん物質】なのです。
知り合いの中に乳がんの温存療法で抗がん剤を使い、十数年後に胃がんなどのがんで亡くなった人が、何人かいます。
さらに、本人の問題だけでなく、今は外来での抗がん剤治療も盛んですから、同居の家族にも危害が及ぶ可能性があります。
というのは、殺細胞性の抗がん剤は、48時間ぐらいはそのままの形で排泄されると言われているからです。
取り扱い要注意のものなのです。
したがって医療現場では厳重注意が必要ですので、「欧米諸国では、1970年代から国家が医療従事者のための抗癌剤取り扱いガイドラインを作成し、その遵守を法的に義務づけている」(『看護師のための抗癌剤取り扱いマニュアル』石井範子編、ゆう書房)
しかし、わが国では、各医療機関の自由性に任されているため、取り組みがバラバラです。
がん診療連携拠点病院によっては、病棟の看護師が、抗がん剤や患者の排泄物の取り扱いに無頓着のところがあるくらいです。
当然、家族へは何の注意もありません。
名古屋市立大学病院では、患者への抗がん剤投与に使う点滴バッグに「毒」表示があるそうです。
(「医療タイムス」2012年3月5日号)。
さすがに、患者から苦情が出たので少しずつ取り止める方向だそうですが、職員を抗がん剤被害(汚染)から守るために、全廃できないとのことです。
なぜなら、使用済みの輸液バッグをナースステーションにおくことで汚染が広がる可能性があるからです。
たとえば、そこへ事務職員が立ち寄り、こぼれた抗がん剤が付着した机上に触れれば、その手は汚染されてしまい、そのまま家に帰れば家族にも化学汚染が広がる可能性が出てくるのです。
(「月刊ナーシング」2010年3月号)。
また、立花隆氏は「『抗がん剤は効かない』のか患者代表・立花隆、近藤誠に質す」
(「文藝春秋」2011年2月号)の中で
「あまり知られていませんが、投与された患者が体外に排泄するもの一切に抗がん剤の毒が出る。
患者のオシッコや大便はもちろんのこと、抗がん剤を投与した男性の精液にも毒が出る。」
と語っています。
抗がん剤はこのような危険物ですから、海外では家庭で安全に取り扱うためのガイドラインがしめされています。
◆抗がん剤の錠剤、カプセル、または液体を取り扱う際はラテックス手袋を使用し、素手で触らないようにして下さい。
◆冷蔵を必要とする抗がん剤を保管する場合は、冷凍庫やその近くには置かないで下さい。
◆抗がん剤は密封された容器に入れ、他の食品と触れないようにして下さい。
◆妊娠中の女性は抗がん剤の取り扱いを避けて下さい。
◆テーブルや床などに抗がん剤を少量こぼした場合は、ラテックス手袋と保護めがねを着用し、吸水ペーパータオルでふき取って下さい。
その後、石けんと水で3回洗浄し、使用したすべてのものを密封した容器に入れ処分して下さい。
◆抗がん剤がシーツや衣類にこぼれた場合は、できるだけ早くそれらを他の洗濯物とは別に洗濯して下さい。
◆抗がん剤が皮膚に触れた場合は、発疹や炎症が起こる可能性があります。石けんと水で十分に洗い流して下さい。
◆抗がん剤を投与してから48時間以内の血液や嘔吐物、または排泄物(尿、糞、便など)で汚れた衣類やベットシーツを取り扱うときは、ラテックス手袋を着用し、他の洗濯物とは別にしてお湯で洗って下さい。
◆目に抗がん剤が飛散した場合は、少なくとも5分間水道水で目を洗い、医師に連絡して下さい。
◆抗がん剤の投与を受けた後、48時間以内にトイレを使用した際は、蓋をして二度流して下さい。
さらには環境汚染も心配です。日本中が抗がん剤汚染列島化しているのではないでしょうか。
事実を公表すれば治療はしにくくなるでしょう。
きちんとした対策を国レベルで考える時期にきているのです。